2009年12月8日火曜日

この冬最初のコシード



おとうさんのホアンホさんから「コシード作るからおいで」とメールが来ました。先週スペインの北部を旅行してきたので、材料を仕入れてきたと。

もう何回もこのブログでコシードの話をしていると思いますが、チョリソやモルシージャ、お肉、脂の塊、野菜、豆などを一緒に煮るマドリッドの郷土料理です。コシードはホアンホさんの得意料理で、彼がコシードを作るとほとんど必ず家族全員が集まります。



まず最初は、全ての材料を煮てできた出汁を混ぜて作ったスープをいただきます。作っているところを最初から最後まで見たことはないのだけど、どうやらお肉系と野菜、豆は別々に煮ている模様。。

このスープはいつもおかあさんのマリカルメンさんの仕事。なぜかって言うと、彼女はチョリソやお肉から出たとんでもない量の脂を取り除いて食べたいから(笑)。ホアンホさんに任せておくと、脂ギトギトのままホイっと出すに決まっているので、必ず彼女が担当します。実際に脂を取ってしまったほうがさっぱりと飲めて美味しいです。日本のとんこつラーメンのスープ似ています。

さてスープで温まったら、具をいただきます。





今回の材料はジャガイモ、人参、ひよこ豆、キャベツ、脂身、鶏肉、牛肉に、今回はブルゴスで買った米のモルシージャとチョリソを加えた、といったところでしょうか。旅先で目をつけたお店で買ったというチョリソとモルシージャのせいか、今回はいつもより味がマイルドで、大変に美味しかったです。通常は秋になると出始める、その辺で売っているコシードセット(チョリソ、モルシージャ、お肉が入っているパック)で作っているみたいです。

唯一お野菜らしい存在のキャベツは私の要望で入れてもらっているものです。この他におかあさんの好きな大根が入ることがありますが、基本的に不評です(笑)。こちらでは大根もかぶも区別なく「ナボ」と呼ばれていて実は正体不明なのですが、お母さんが入れるものは直径5センチ、長さ10~15センチくらいの大根のようなものです。味もほぼ大根。なので入れてしまった場合には、おかあさんと私が大根担当として食べる責任を負わされます(笑)。

食べ方は、一番最初の写真のように自分の好きなものをお皿にとり、全部適当に小さく切ってソースをかけて、ごちゃごちゃに混ぜて食べるのが正当(?)のようです。



このニンニクが効いたソースは、脂ぎっとりのコシードのスープをもとに、スパイスやハーブを加えて作ったもので、これはホアンホさんの秘伝。隠し味にクミンが入っていることだけは知っていて、これがとてもいいアクセントになっています。

コシードはもともとマドリッド地方の農民の食べ物で、現在のように豪華な具ではなく、ごく質素に少量の豆と野菜が入っていただけとか。ホアンホも子供の頃イヤと言うほど食べさせられたという思い出の料理。

というわけで、今年もコシードの季節がやってきました。今年はなかなかお声がかからず、皆お待ちかねのコシードパーティでした。これからオランダの義姉一家も来ることだし、食べる回数が増えることでしょう。

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